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必要のない不動産を相続した④《入門》 【相続土地国庫帰属制度を活用する場合】(20260826)
【必要の無い不動産を相続した場合、どのように手放せばよいか。】
【4】相続土地国庫帰属制度を活用する。
不要な土地を相続したが、持ち続けることへの負担感が大きく、管理も行き届かないため、土地を手放したいと考える人が増えている。そのまま放置されると所有者不明土地になり、売るに売れず、有効利用もできない結果となる。そこで、国が所有者となり管理を引き受ける制度を創設した。
(1)帰属要件
本来、所有者が負担すべき管理コストを国が代わりに負担するため、「一定の要件」がある。
1 土地の要件:通常の管理処分をするにあたり過分の費用・労力を要する土地は不可
2 審査料と負担金:審査料14,000円、10年分の土地管理費用相当額
(2)申請者(だれでも申請できるわけではない)
⇒相続又は遺贈(相続人に対する遺贈)により、土地の所有権又は共有持分を取得した者が申請することができる。
その土地の所有者が・・・
①一人(単有):その所有者が申請できる。
親Xが死亡し、子供Aが相続した。⇒Aが申請できる。
②2人以上(共有):その共有者の全員が協力すれば申請できる。
親Xが死亡し、子供ABが相続した。⇒ABが共同で申請する。
(3)帰属させることができない土地はあるか。《却下と不承認》
① 帰属したあとに管理が面倒な土地、費用がかかりすぎる土地:直ちに却下(門前払い)建物がある土地:要するに更地のみ。建物が老朽化するのでいずれ管理が大変になる。等
② 担保権・使用収益権が設定されている土地
⇒抵当権が付いていると抵当権の実行がされてしまう可能性。
⇒地上権などの利用権がついていると国が管理できない。等
③ 他人が使用している土地
⇒現に通路として利用されている土地
⇒墓地
⇒境内地
⇒現に水道用地、用悪水路、ため池に利用されている土地
④土壌汚染されている土地
⇒特定有害物質。処分費用がかかる。その後も処分しにくい。
⑤土地の境界が明らかでない土地、土地の所有権に争いがある土地
⇒国が管理しきれない。
⇒測量や境界確認書の提出は不要だが、申請者が認識する境界点を表示。隣地所有者と境界の認識に相違・争いがない。
(4) 帰属の承認がされない土地:審査の段階で該当すると承認されない。
① 一定以上(勾配30度以上かつ高さ5m以上)の崖で、管理費用・労力がかかり過ぎるもの:例 擁壁工事
② 土地の通常の管理処分を阻害するものが地上に置かれている土地:例 放置車両、樹木
③ 土地の通常の管理処分を阻害するものが地中に埋まっている土地:例 産業廃棄物、井戸、浄化槽
④ 裁判をしなければ通常の管理処分ができない土地
⇒例 袋地を囲んでいる土地の所有者に通行を妨げられている場合の袋地
⇒例 不法占拠されている土地、隣地から生活処理水が流れ込んでいる土地
⑤ 通常の管理処分するために費用・労力がかかりすぎる土地
⇒災害の危険を予防する措置が必要な土地
⇒熊やスズメバチなどの危害が加わりそうな土地
⇒造林・間伐など整備が必要となる土地
⑥ 国庫帰属後、国に法律上の金銭債務が発生する土地
⇒ 土地改良法の適用がある土地で所有者に賦課金が発生する土地
(5)負担金はいくらか。
⇒土地の種別により異なる。隣接する2筆以上の土地は1つの土地として計算可能。
(1)宅地:原則 面積にかかわらず、20万円
例外 市街化区域内又は用途地域内は、面積に応じて算定(広くなれば、面積あたりの金額は下がる)
例 100㎡(約30坪) 548,000円
200㎡(約60坪) 793,000円
500㎡(約150坪) 1,454,000円
⇒ということは、原則20万円の支払ですむことはほとんどないか?
(2) 農用地(田、畑)で一定の土地
原則:20万円
例外: 市街化区域内又は用途地域内、農用地区域内は、面積に応じて算定(広くなれば、面積あたりの金額は下がる)
例 250㎡ 510,000円
500㎡ 723,000円
2,000㎡ 1,868,000円
1 申請件数(令和8年7月31日現在)
(1)総数 5,863件
(2)地目別 田・畑:2,278件
宅 地:2,040件
山 林: 893件
その他: 652件
2 帰属件数(令和8年7月31日現在)
(1)総数 3,008件
(2)種目別 宅 地:1,115件
農用地: 964件
森 林: 199件
その他: 730件
3 却下・不承認件数(令和8年7月31日現在)
1つの事件で複数の却下の理由又は不承認の理由が認められる場合がある。
(1)却下件数 85件
(却下の理由)
・ 4件:建物の存する土地に該当した
・22件:現に通路の用に供されている土地に該当した
・ 1件:現に水道用地、用悪水路又はため池の用に供されている土地に該当した
・23件:境界が明らかでない土地に該当した
・10件:承認申請が申請の権限を有しない者の申請に該当した
・37件:法第3条第1項及び施行規則第3条各号に定める添付書類の提出がなかった
(2)不承認件数 96件
(不承認の理由)
・7件:崖(勾配が30度以上であり、かつ、高さが5メートル以上のもの)がある土地のうち、その通常の管 理に当たり過分の費用又は労力を要するものに該当した
・46件:土地の通常の管理又は処分を阻害する工作物、車両又は樹木その他の有体物が地上に存する土地に該当した
・3件:除去しなければ土地の通常の管理又は処分をすることができない有体物が地下に存する土地(法第に該当した
・4件:民法上の通行権利が現に妨げられている土地に該当した
・6件:所有権に基づく使用又は収益が現に妨害されている土地に該当した
・11件:災害の危険により、土地や土地周辺の人、財産に被害を生じさせるおそれを防止するための措置が必要な土地に該当した
・37件:国による追加の整備が必要な森林に該当した
・10件:国庫に帰属した後、国が管理に要する費用以外の金銭債務を法令の規定に基づき負担する土地に該当した
4 取下げ件数(令和8年7月31日現在)
1,102件
(内訳) ・571件:有効活用の見込みが生じた
・392件:却下・不承認であることが判明した
・139件:その他
※ 有効活用の見込みが生じたことによって申請が取下げられた例
・自治体や国の機関による土地の有効活用が決定した
・隣接地所有者から土地の引き受けの申出があった
・農業委員会の調整等により農地として活用される見込みとなった
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